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自利利他に生きる

「世のため、人のため」ということを、「自分のため」と区別して考えることに誤りがあると思います。その根拠にあたる《自利利他》という言葉の意味は次のとおりです(辞書引用)。

◆自利利他とは◆
(仏語)自らの悟りのために修行し努力することと、他の人の救済のために尽くすこと。この二つを共に完全に行うことを大乗の理想とする。

この根底にはワンネス(oneness)の思想があります。本来この世に自他や公私の区別はなく、みんな一つです。自分の利益は同時に他の利益にもなるように、他への利益は同時に自分の利益にもなるように生きるのが本来の在り方(自然の摂理)だと思います。これが当たり前でなければなりません。

商売に例えると、売り手と買い手の双方ともが利益になるような事業をすることです。フェアトレードも該当します。
「自分のため」が優先したり、「世のため、人のため」が優先したりすることが無く、両方一体の考え方を有している状態です。自我・我欲に任せて生きていてはこのようになり得ません。

《自利利他》は仏語ですから、お遍路ももちろん自利利他を意識して行うべきですし、また意識していなくても、そうなるようなお遍路に取り組めていることが正しさの目安といえそうです。

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