一般

日本人の神の観念

今でも継承されていると思いますが、日本人の神の観念は「八百万やおよろずの神」というように、あらゆる事物に神がいると考えるものです。人にとって良い神ばかりではなく、災禍をもたらす荒ぶる神も存在します。神同士の争いだってあります。すべては神が直接創造したものか、神が創造したものが起こしたことと考えれば、すべての事物に神はいるといえるかもしれません。

「悪いことが起きるのは神を怒らせたせい」などという考え方もしますが、人の営みのありとあらゆる事物に神がいて互いに連携していますから、日本の神は人間的で身近です。神の社会が共存しているかのようです。日本人は謙虚で親切であると諸外国からも称賛されるのは、このような神観念によるものかもしれません。

抗議デモなどの騒動に乗じて群衆が暴徒と化し、通りがかりの商店から商品を盗み出すようなことは日本ではあり得ません。そんなことをしたら神が怒って自分が苦しい目に遭います。自分の身にも神は宿っていますから、神の目から逃れることなどできません。
逆に、神の意に沿うことは神の全面的なバックアップが得られます。それを感じることができたら百人力です…

ちなみに、いのりとは本来神が自らの意を宣ることのようです。そのいのりを人がすることの意味を考える必要があります。

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