日本人の多くは無宗教(信仰心が無い)とのことです。道徳心がもとから備わっていることや非科学的なものへの不信感などから、宗教の必要性を抱かないのかもしれませんが、解脱には到底及びません。勤行次第の中の「十三仏真言」は、現状に甘んじない気持ちを奮い立たせる不動明王真言から、無我の境地(自我による制約のない無限の智慧や能力に目覚めた状態)に至らせる虚空蔵菩薩真言までを“真言マンダラ”とでもいうような形で修行過程を表現したものと私は解釈しています。そして、真言を唱えることの意義や技法に自らが気づいて行うことで、これらの仏の働きを自らの内に起こすものだと思います…