雑感

人生応援メッセージ「空」

この世は、前向きに楽しく生きることに努める修行の場です。
この世に生まれた私たちは、様々な執着のわなが仕組まれた物質世界を自由自在に生きるという課題を与えられています。その課題をこなすためのキーワードが「空」(くう)です。

「空」とは“何も存在しない状態(空っぽ)”ではなく、“何ものにもとらわれない境地(無執着)”を表す概念です。これは縁起の考えに基づくもので、“この世の事物は、様々なものとの相互関係性によって成り立ち、生滅・変化しているから永遠不変の実体など存在しない。だから、実体のないものに執着しても意味がないと気付くことであらゆる可能性を享受できる”ということを意味します。このことから「空」は、執着を手放して自由に、そして可能性に望みをかけて積極的に行動することを私たちに諭しているのだと思います。
このように考えると「空」とは人生を前向きにさせる思想であり、「空」の思想を説く般若心経が、夢や願いを叶える目標達成のお経と言われる意味も分かってきます。

般若心経の正式名称は「般若波羅蜜多心経」です。般若波羅蜜(多)の部分は“智慧の完成”と一般的に訳されており、一切のとらわれを離れた無執着の実現を意味します。人生を思いどおりに生きるにはこの無執着の悟りの境地に達して、自由と可能性を享受する必要があります。

そして理屈は分かっても、何より重要なのが実践です。絶えずいろんなことに執着してしまう悪い習慣をいかにして改めるかです。改善の程度に応じて、この世の中を自由自在に生きられるのです。
いろいろ考えられるであろう実践方法の中で、自らに適したやり方を見出さなければなりません。無意識に行ってしまう習慣を改めることは簡単ではありませんが、チャレンジする価値は非常に大きいと思います。
「空」の思想を実践することに、もう歳だから遅いということはありません。小さな成果でも得られたら、この世に生きた意味があるというものです。真理に目覚める(悟りを開く)という究極的な成果につながります。

【参考】
一般的に、事物に固有の本質(=永遠不変の実体)があるかのような錯覚があることから、錯覚だと気付かせるために「空」という否定的な響き(“永遠不変の実体などありませんよ”という響き)のある言葉を用いることとなったという説があります。参照先は次のとおり。

空とは何でしょう? ―中観派の教えを学ぶ―
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